訪問教育の充実を目指して!

公開日 2015年12月14日(Mon)

   本校は,屋久島に訪問学級を開設しています。訪問学級では,現在1人の生徒が在籍しており,毎回の学習に精一杯取り組んでいます。

   11月上旬には,自立活動専任が屋久島に行き,訪問学級の授業参観を行いました。生徒と担任の絶妙の「間」で展開される授業,その授業をそばで見守り,時にはサブティーチャーとして,チーフをサポートする保護者,安心できる環境で自分らしく学ぶ訪問教育の実際を参観できたことは大変貴重な時間となりました。

   授業参観を通しての感想や意見交換をメールや電話で行いました。意見交換で話題にあがったことは,「授業で使用していたミキサーのボタンが小さいため,生徒が押しにくいのではないか」ということです。そこで,相談内容を管理職に話し,支援機器に詳しい鹿児島県立南薩養護学校の坂上茂校長先生に相談することにしました。

   相談してわずか数日後,本校に支援機器が届きました。詳しい仕組みは分かりませんが,スイッチで,ミキサーを操作できるものでした。坂上校長先生,素早い対応ありがとうございました。

   訪問学級担任は,さっそく授業で使ったみたらしく,メールと写真が送られてきました。(訪問学級担任もフットワークの軽い先生で,「即実践→検討→改善!」のスタイルは大変勉強になります)スイッチ使用以前は,ボタンを押すことに生徒も担任も工夫をしながらも少々の努力を要して取り組んでいましたが(①),スイッチを使用すると,生徒が無理なく操作できたそうです。以下は,訪問学級担任の言葉です。

 「昨日今日とミキサーを抱きかかえるようにしてスイッチ使ってみました。やはり体に近く耳元にも近い方が反応がいいと思いました。振動を耳を澄まして聞き感じているように見えました。」

 

   継続して使用することで,自分のタイミングでスイッチを押そうとする主体的な動きがますます見ることができるようになると思うと,とても楽しみです。写真を見ると,生徒のうれしそうな表情,そして自分で操作できたという誇らしげな達成感が伝わってきます(②)。

① スイッチ使用以前の学習。生 徒とミキサーの距離に配慮していました。その後,ボタンを押すために,教師と一緒に,指を精一杯伸ばしていました。

② 肘の支援のみで,自分でスイッチを押してミキサーを動かすことができました。ミキサーを抱くように体に近づける支援ができるようになり,これまで以上にミキサーの振動を感じることができました。  

  校内はもちろん,他校の先生の力も借りながら,同じ「特別支援教育チーム」として,今後も連携をとりながら授業の充実に取り組んでいきたいと思います。